イタリア料理ほんやく三昧

2018年4月20日金曜日

モンテ・ヴェロネーゼ

ヴェネトの話題が続いたところで、今月の食材もヴェネトのチーズです。
モンテ・ヴェロネーゼ
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歴史の古いDOPチーズで、その名の通り、ヴェローナ北部の山岳地帯で造られています。
レッシーニ山地やバルド山で飼育されている牛乳から作るチーズです。




イタリアのDOPの山のチーズの中では、もっとも重要と見なされています。
フレスコとアッレ―ヴォの2種類がありますが、特徴が強く表れているのは山の放牧地で過ごした牛の夏のミルクから造り、1~2年熟成させたダッレーヴォ。
長く熟成させたものはおろして使うこともできます。
高原の草や花の香りが特徴。

ラディッキオ・ロッソと米というヴェネトの名物食材を使うリゾットには、ヴェネトのチーズ、モンテ・ヴェロネーゼがぴったり合いそうですね。
ラディッキオの味を消さないようにマイルドなフレスコタイプを使います。
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座って料理を作る人たち、初めて見ました。


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モンテ・ヴェロネーゼを紹介しているのは「総合解説」2015年12月号の"今月の食材"です。 [creapasso.comへ戻る] =====================================

2018年4月18日水曜日

『パスタ』の新着本

今日は新入荷の本の紹介です。

パスタ・レボリューション



パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア









『パスタ・レボリューション』は、副題が"pasta conquista l'alta cucina"。
アルタ・クチーナのパスタの本です。
『パスタ・ヴィアッジョ』は、副題が"Viaggio in Italia in compagna di grandi chef"
20州の20人のシェフによる、乾麺の地方料理の本。

『ヴィアッジョ』は地方料理という縛りがありますが、どちらも有名シェフたちによる饗宴。
『レボリューション』は乾麺のパスタという縛りだけで、シェフの個性が咲き乱れています。
『ヴィアッジョ』はイタリアの地方料理をインターナショナルな知名度にしたいと言う、トップパスタメーカーの野望が感じられます。
『レボリューション』は、農民と主婦が作り上げてきたイタリア料理の最終形態の一つを感じます。
どちらもパスタはイタリアが生んだワールドクラスの食文化というプライドが強烈に感じられますが、その考察が、本格的でとても面白いのです。

例えば、こんな一文。
"小麦粉と水があれば誰でも作ることができるパスタだが、イタリア人だけが、これを乾燥させた。"

プーリアのオレッキエッテ、ナポリのパッケリ、トスカーナのピチ、リグーリアのトロフィエなどのようにパスタの形は地域主義のメタファー。
対外的には"マカロニ"と総称で呼ばれることを許しても、イタリア人の中では、反グローバリズモの流れが常にあります。

パスタの主要な"地域"は、シチリア、ナポリ、ジェノヴァ、ボローニャ。
イタリアには、方言を含めて1238種類のパスタの名前があるそうです。
さらに、どのパスタも偶然生まれて偶然生き残ったのではなく、必ず生み出された理由があります。

『レボリューション』は、写真も面白いんです。
ゲイリー・クーパー主演の『マルコ・ポーロの冒険』という1938年の映画のワンシーンは、中国人とおぼしき人物が箸で麺を持ち上げているのを、イケメンのマルコ・ポーロが見つめている、という興味深い写真。
実際にこんなシーンあったかもね。

マルコ・ポーロは、西洋人に取ってこんなイメージ?
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まるでゲーム・オブ・スローンズの世界。
さらに、アングロ・サクソン系の女性がスプーンとフォークで悩みながらスパゲッティを食べるポスターのような写真もあります。
イタリア人のパスタに対するプライドの高さは、昨今の日本食ブームを体験した日本人にはよくわかるのでは。

とにかくじっくり読みたくなる面白い本です。


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2018年4月16日月曜日

ハリーズ・バーのベッリーニ

今日は「総合解説」12月号より、ハリーズ・バーのベッリーニの話。

日本からの観光客にとっては、ただのバカ高いピーチのネクター入りシャンパン、ということになるかも知れません。

でも、ハリーズバーのことを良く知ると、イメージが変わるかも。

まずバカ高いのは、ベネチアのような国際的で高級なリゾート地では、物価も超べらぼうなので、頭に来てるうちはあなたも庶民、ということですかね。
次は、もっと小遣いを貯めて乗り込みましょう。

ハリーズバー

のことは、とても面白かったのでいろいろなところで訳を載せてきました。
この店が誕生した経緯を知ってハリーズ・バーでベッリーニを飲むと、一段と美味しく感じると思いますよ。

それではカクテルのリチェッタです。
動画は、世界中の色んな人が上げていますが、どうもハリーズ・バーとしては上げていないようですね。



「総合解説」を読んでいただければよくわかりますが、そもそもハリーズバーのベッリーニは、白桃が一番美味しくなる季節、つまり7月にだけ出していたそうです。
桃は皮ごとシノワかマッシャーで潰してピューレにします。
ミキサーにかけると空気が入るので使いません。
細かいこだわりがあったんですねー。
旬の白桃が手に入る人は、ぜひトライしてみて。

「総合解説」ではチョコレートケーキのリチェッタも訳しました。
ハリーズバーのチョコレートケーキはなかなか人気のようですよ。
もちろんカルパッチョのリチェッタも訳しました。
この料理が誕生した時の有名なエピソードにも、ちょとした裏話がありました。






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『ハリーズ・バー』のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2015年11月号に載っています。
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2018年4月13日金曜日

春の野菜

今日はイタリア便りをどうぞ。
それではSegnalibroさん、お願いします。

すっかり春になりました。
先週、私の住む町では春の植木市祭りが開催され、人口約16,000人の田舎町が8万人の人出で賑わいました。

窓辺にお花を飾るドイツ語圏の人たちとは違って、北イタリアの人々はあまりお花に興味がないのかと思っていましたが、大勢の人がお花や苗木を両手に抱えて買う買う買う!
雰囲気にのまれて、私も小さなチューリップを買ってしまいました。
お花って、見ているだけで幸せな気持ちになれるから不思議です。

Noale in Fiore

Noale in Fiore

春が来るとウキウキするのは、新しいことが始まる季節だからでしょうか。
先日、町の広場に面した一角に若者3人が八百屋さんをオープンしました。
植木市祭りは日曜日でしたが、この日も張り切って出店中。
左のお兄さんは、カルチョフィを剥くプロです。お店で剥いたのを売ってくれるので、ここに来てから、面倒なカルチョフィの下処理をしなくて済むようになりました。冬の間楽しんだカルチョフィも、そろそろ終わりです。

negozio frutta verdura

bruscandoli

ヴェネトの春野菜、ブルスカンドリを初めて見ました。
ブルスカンドリはこの地方での呼び名だそうで、イタリア語ではルッポロ。ホップの若芽で、フリッタータやリゾットに入れて食べるのだそうです。
ヴェネトの春の野菜、メルカートやスーパーでは、見慣れない聞き慣れない野菜がたくさん並んでいて戸惑います。

Mercato

お野菜と言うより雑草感が半端ない陳列ですが、ロゾレという野菜はあっという間に売り切れていました。
ロゾレって何?
お店の人に聞くと、ロゾレは方言でPapavero(ヒナゲシ)とのこと。え、丘の上のヒナゲシの若芽~♪って食べられるの?
ケシと聞くと、食べたらラリってしまいそうな成分が含まれているような気がしましたが、調べてみると、どうやら若芽ではラリれないみたいです。
試しに生でかじってみると、見事に草の味。生で食するのではなく、火を通してから食べるのが正解なんだそうです。

先日、お庭の草むしりをしたというお友達が、イラクサにやられちゃって、とぼやいていたら、それを聞いた別の友人が、イラクサは食べれるし、化粧水にもできるのよ、とアドバイスしていました。

イタリアの短い春、楽しみます!!

Grazie Segnalibroさん。
ロゾレというのは初めて聞きました。
チューリップ、こちらでも咲いてますよー。
イラクサは庭の雑草扱いなんですね。
イラクサを料理して食べる日は来るのでしょうか。



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2018年4月11日水曜日

ヴェネトとヴェネチア

今月の地方料理はヴェネト料理。
グリバウドの地方料理シリーズの『ヴェネト』

ニュートンシリーズの『クチーナ・ヴェネタ・ディ・マーレ
ハリーズ・バー
のリチェッタを主に訳しました。

ラツィオのローマ、カンパーニアのナポリと並んで、ヴェネトといえば、ヴェネチア。

ヴェネチアとヴェネトは、同じもののようで全然別物。

ヴェネト州の都市
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ヴェネトの自然
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ヴェネチアは昔から欧米人の憧れの地だったので、情報量もすごい。



ヴェネト料理
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ヴェネチア料理
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訳してみて感じたのは、やっぱり主役は圧倒的にヴェネチア料理。
国際的な観光地なだけあって、ゴージャスで魅力的な料理に溢れています。

特にチケーティのような料理が生まれるだけあって、冷えた白ワインに合いそうなシーフードのつまみ料理が多い!

代表的チケーティ料理、バッカラ・マンテカート。
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“ヴェネト料理”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年11月号に載っています。
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2018年4月9日月曜日

モディカ


ラグーザ県のグルメガイド、続けます。

ラグーザ県
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ラグーザ県はチョコレートで有名なモディカがある地方。
モディカのチョコレートはシチリアの大きな観光地でなら売っているとは思いますが、やはり一度は現地のアンティカ・ドルチェリーア・ボナイユートを訪れてみたいもの。



砂糖のじゃりじゃりした砂のような食感がある溶けないこのチョコレートを使ったモディカの名物ドルチェは、“'mpanatigghi/ンパナティッギ”。
モディカのチョコレート、砂糖、アーモンド、牛挽肉の詰め物のパスタ・フロッラのラビオローニ。
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パスタ・フィラータのチーズ、ラグザーノDOPなども有名。



モッツァレッラに代表されるイタリアならではの特徴的なチーズで、長期間保存できるタイプ。
豊富な牧草があった地方のパルミジャーノなどとは全く違う、地中海の硬質チーズ。
保存方法も、塩漬けではなく、長期熟成、という方法を用いています。

独特の形にして柱にかけて乾燥させるところからついた名前が、カチョカヴァッロ。
カチョはチーズ、カヴァッロはまたがるという意味。
地中海式のチーズを熟成させる知恵が詰まったチーズです。
香りを味わってください。
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モディカのアグリトゥーリズモ イル・グラナイオ。
レストランは要予約。




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“グルメ旅~ラグーザ県”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年11月号に載っています。
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2018年4月6日金曜日

イタリアで一番愛されている警部、モンタルバーノ

今月のイタリアグルメ旅は、ラグーザ県です。
テレビの人気シリーズ、“モンタルバーノ警部”の家がある地方で、番組の撮影もこの地方で行われているそうです。
“モンタルバーノ警部”はアンドレア・カミッレーリ原作の人気ミステリーで、以前、ブログでも取り上げています。→こちら
このシリーズ、シチリア料理もうまく使われていて、なかなか面白いのです。
日本語の文庫本もあります。
初回が放送されたのは1999年。2018年現在も続いています。

こんなドラマ
オープニング

人気ドラマに欠かせないスピンオフシリーズもあります。
“ヤング・モンタルバーノ”のトレイラー
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聖地巡礼も盛んな人気番組。
シチリアの美しい街と美味しい食べ物が満載なだけでも興味津々。



これは行きたくなりますねー。
行く前に、この地方の特産品のチェックも忘れずに。
名物の話は次回です。

おまけの動画
このドラマのおかげでアランチーニが世界中に知られるようになったという声まである「モンタルバーノのアランチーニ」
聖地の一つ、モンタルバーノの家の隣でも売っています。
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“グルメ旅~ラグーザ県”の日本語訳は「総合解説」2015年11月号に載っています。
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